取材の待ち合わせ場所にやってきたのは、日焼けした70代の男性だった。
世界平和統一家庭連合(旧統一教会)で40年以上、信仰にもとづいて献金を続けてきたという。
「人生を否定するのが怖くて、後悔しているとは言えません」
30代で会社を経営していた1980年ごろ、先に信者になっていた妻の影響で入会した。
今も、屋外での週3回のアルバイトで献金を続け、約40年間の総額は1億円近い。
信仰のきっかけは、教団や友好団体の政治姿勢への共鳴だった。当時、世界は旧ソ連や中国など共産主義勢力が拡大を続け、日本までも共産主義に乗っ取られるという危機感が男性にはあった。
そんなとき、共産主義と対峙(たいじ)するという「勝共運動」を訴えた教団日本教会の久保木修己・初代会長の演説に心打たれた。
「左翼と戦うには統一教会しかない」
教団の問題をきっかけに被害者救済新法が成立しました。今後は解散命令請求をめぐる政府の動きが注目されます。そんな中、教団の現役信者が朝日新聞の取材に応じました。教団への不信感と信仰心のはざまで揺れる思いを聞きました。
日本と朝鮮半島を海底トンネ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル